マカを摂取する適齢期

マカを摂取する適齢はあるのか？

滋養強壮や性機能改善に効果があることで、人気を博しているマカ。
年を取ると体の各所で不具合が生じ、普段の生活でも悩まされることが多くなるので、マカを試してみたいと思う方も多いと思います。
ところでマカを摂取するのに適齢期はあるのでしょうか？
今回は、マカを摂取し始める年齢についてお話します。

マカの摂取に年齢は関係ない

結論から先に言うと、マカの摂取開始の時期に年齢は関係ありません
マカの原産国であるペルーでは、マカは家庭料理で普通に使用される野菜として愛用されています。
また、栄養価が高いためお菓子やジャム、ジュースなど子供向けの食料品にも配合されています。
そのため、老若男女を問わずマカを摂取しています。
子供だから、年寄りだからといってマカを摂取して悪い影響が出たなどといった話はありません。
むしろ、その世代ごとに健康上の悩みを解決する効果を発揮します。

10代は体の形成に効果を発揮

子供の成長には成長ホルモンが必要

10代は、子供から大人の体になる第二次性徴を迎えます。
この時に成長ホルモンの分泌が活性化して体が大きくなり、また性ホルモンの分泌も促進するため男は男らしく、女は女らしい体付きになります。
この時に成長ホルモンや性ホルモンの分泌が少ないと、発育不良で身長があまり伸びなくなり、大人らしい体を作れなくなります。
また、急激にホルモン分泌が増えるため、ニキビに悩まされる場面が多くなります。

マカのアルギニンが成長ホルモンの分泌を促進

マカに豊富な非必須アミノ酸のアルギニンは、成長ホルモンの分泌を促す作用があります。
成長ホルモンは細胞分裂を促進させる化学物質で、骨の形成や筋肉の増強に必要です。
身長は遺伝的な要素が強いと言われますが、実際に遺伝が影響するのは25％程度に過ぎません。
この時期に栄養不足や睡眠不足、運動不足などで成長ホルモンの分泌が少ないと、身長を十分に伸ばせません。
成長期にマカを摂取すると、アルギニンで成長ホルモンの分泌が促進するばかりではありません。
身長を伸ばす骨の形成に必要なカルシウムや、細胞分裂を促進する亜鉛、体の組織となる各種アミノ酸も同時に摂取できます。

マカは思春期のニキビを抑制する

思春期にニキビが増えるのは、皮脂を分泌する皮脂腺が性ホルモンに反応するためです。
第二次性徴期は大人の体に成長させる時期なので、性ホルモンの過剰な分泌は必要なことです。
皮脂腺には性ホルモンの受容体があり、第二次性徴期に急激に性ホルモンの分泌が激しくなると、皮脂腺の受容体に結合し、皮脂の分泌が激しくなります。
その結果、過剰な皮脂で毛穴が詰まり、そこにアクネ菌が発生しニキビになります。
皮脂の主成分は中性脂肪で、中性脂肪は肝臓で生産されます。
肝臓は糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素をエネルギーに代謝※1するとともに、余分な栄養は脂肪として蓄えます。
脂肪が増えると、中性脂肪の生産が多くなり、その結果ニキビの原因の皮脂の分泌も激しくなります。

※1　代謝とは、ある物質を体内の化学反応で、別の性質を持つ物質にかえること

マカに豊富なビタミンB2は、肝臓で中性脂肪の原因となる脂肪を燃焼し、エネルギーに代謝する際に補酵素として作用する栄養素です。
乾燥マカ100gあたりビタミンB2を76mg含有し、これは成長期の男子が1日に必要な摂取量の4,471％に相当します。
マカを摂取すると、余分な脂肪の燃焼が促進し、中性脂肪の生産量が減少します。
それに伴い、ニキビの原因となる皮脂の分泌も減少します。

20代からマカを始めれば生活習慣病予防になる

20代は生活習慣が乱れ自律神経も乱れやすい

20代で社会に出ると、仕事や人間関係でストレスが溜まり、就いた職によっては生活のリズムが崩れる場合があります。
若いうちは体力があるので何とか乗り切きれますが、20代も後半になると徐々に体の新陳代謝※2の機能が衰えてきます。
その結果、運動不足や過食で肥満になったり、昼夜逆転の生活が自律神経を乱したりして、体の各所で不具合が生じるようになります。
肥満や自律神経の乱れは、将来の糖尿病や高血圧、動脈硬化などの成人病の予備軍となります。

※2　新陳代謝とは、古い細胞を分解し、細胞分裂で新しい細胞に入れ替えることで、組織の機能を保つ生理現象のこと。

マカのビタミンB群が肥満を解消する

マカは脂肪を燃焼させるビタミンB2以外に、主に糖質を燃焼させるビタミンB1、体のエネルギー生産の6割に関与するナイアシンが豊富です。
ビタミンB1はエネルギーにしやすい糖質を主に代謝し、仕事で疲れた体に素早くエネルギーを与え、疲労回復を助けます。
また、脳にストレスが溜まると脳も疲労し、やる気が失せたり、イライラが蓄積したりします。
脳は、基本的に糖質しか栄養としません。
マカでビタミンB1を補うと、脳にエネルギーを与えるので、疲労した脳も活性化し、やる気が回復します。
さらに、マカの摂取と運動を併用すると、ビタミンB群が過食や偏食で肝臓に蓄積した余分な脂肪を燃焼させ、成人病の原因となる肥満が解消できます。

マカのカルシウム、マグネシウムが自律神経の乱れを改善

20代は社会に出て間もないこともあり、会社の仕事も末端の業務を任せられるので、どうしても生活習慣が乱れがちになり、またストレスも溜まりがちです。
また、20代の頃は体力があるので健康に気を遣わず、どうしても好きな物ばかりを食べて栄養的に見ても偏食になりがちです。
特に若者が好きな食事はたんぱく質や脂質が多く、必須ミネラルやビタミン類が不足しがちです。
マカは必須ミネラルが豊富で、日本人の食生活で不足しがちなカルシウム、鉄、亜鉛が豊富です。
特に、カルシウムやマグネシウムが不足すると、睡眠や体温の調整、各種ホルモンの分泌を司る自律神経が乱れやすくなります。
カルシウムやマグネシウムは、神経組織で情報伝達物質として作用する栄養素です。
マカを摂取すると、カルシウムやマグネシウムを補給できるので、自律神経の乱れが回復し、体の不調も改善します。

30代はホルモンバランスの乱れを改善

30代は性ホルモンの分泌が減少する

30代になると、徐々に体の不調が目立つようになります。
特に、性機能の衰えが目立つようになります。
晩婚化が叫ばれる現在、子供が欲しい夫婦にとって性機能の低下は大きな問題の一つです。
個人差はありますが、男性の場合は30代前半から徐々に男性ホルモンの分泌が減少し、女性は35歳くらいから急激に女性ホルモンの分泌が減少します。

性ホルモンは生殖器の機能を維持するために必要で、尚且つ新陳代謝や骨の形成、精神の安定化にも関与しています。
加齢で性ホルモンの分泌が減少すると、筋力が衰え脂肪が蓄積しやすくなるので動脈硬化や脂肪肝のリスクが、また骨が脆くなる骨粗しょう症のリスクも高まります。
また、女性の場合は更年期障害に見られるイライラや倦怠感など、精神的な不安定さが顕著になります。

マカは性ホルモンの分泌を促進する

アルギニンが性ホルモンの分泌を促進

マカは古代アンデスの時代から、性機能を改善する効果があることが知れています。
マカを摂取すると、マカのアルギニンが脳下垂体を刺激し成長ホルモンの分泌を促進します。
実は、脳下垂体は性ホルモンの分泌促進にも関与しています。
性ホルモンは脳の真下にある視床下部から性腺刺激ホルモン放出ホルモンが分泌され、それが脳下垂体に伝わり、脳下垂体から性腺刺激ホルモンが放出されます。
性腺刺激ホルモンは血液を通じ、精巣や卵巣に到達してようやく男女の生殖器から性ホルモンが分泌されます。

マカのアルギニンが脳下垂体を刺激すると、脳下垂体と連動している視床下部も刺激され、加齢によって衰えていた機能が活性化し、視床下部から性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌も促進します。
その結果、生殖器に到達する性腺刺激ホルモンの量も増加するので、性ホルモンの分泌が増え、生殖機能が改善します。

マカの亜鉛がホルモンの分泌量を増やす

性ホルモンは男女ともに生殖器で生産され、男性の場合は精子の数を増やし、女性の場合は卵子の成熟化に関与しています。
しかし、生殖器で性ホルモンの生産能力が低下すると、視床下部からどんなに性腺刺激ホルモン放出ホルモンが分泌されても、性ホルモンの生産はできません。
性ホルモンの生産力低下の原因となるのが、生殖器に存在する亜鉛の不足です。
亜鉛は別名「セックス・ホルモン」と呼ばれ、たんぱく質やホルモンの合成に必要不可欠な栄養素です。
亜鉛は特に細胞分裂が盛んな器官に多く存在し、精巣や卵巣にも多く存在します。

しかし、亜鉛は日本人の食生活で不足しがちで、尚且つ体内に吸収され難いミネラルです。
乾燥マカ100gあたり亜鉛を12mg含有し、これは成人男性が1日必要な摂取基準の120％に相当します。
マカを摂取すると、生殖器の亜鉛不足が解消し、性ホルモンの生産力が回復します。

40・50代は成人病の予防になる

40代、50代になると新陳代謝の機能が衰え、徐々に体の各所で老化が目立つようになります。
また、若い頃の不摂生や運動不足などがたたり、高血圧や動脈硬化、糖尿病、脂肪肝など成人病のリスクに悩まされるようになります。
特に女性の場合は否応なく閉経を迎えるので、それに伴う更年期障害の諸症状に苦しむことになります。
マカはこれらの症状を改善し、成人病のリスクを軽減します。

マカは動脈硬化のリスクを下げる

動脈硬化の原因となるのが、血液中に分泌される悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールの増加です。
LDLコレステロールは細胞壁を作るために必要不可欠ですが、脂肪が増えると肝臓で生産されるLDLコレステロールの分泌量が増えます。
その結果、LDLコレステロールが血管に付着して血栓を作りやすくなります。さらに活性酸素※3で過酸化脂質になると周囲の血管組織に炎症を起こさせて繊維化し、動脈硬化を引き起こします。

マカのビタミンB群は、肝臓に蓄積した脂肪を燃焼して減らすので、肝臓で生産されるLDLコレステロールの分泌量も減少します。
また、マカの亜鉛、銅、鉄、マグネシウムは体内で生産される抗酸化物質のSOD（スーパーオキシドディスムターゼ）の原料となります。
SODは過酸化脂質を分解する作用があり、血栓による動脈硬化のリスクを軽減します。

※3　活性酸素とは電子が欠損し物質として不安定になった酸素のこと。他の物質と結合することで物質としての安定化を図るため、普通の酸素に比べ化学反応が早い性質があります。

マカのカリウムが高血圧を改善する

高血圧は、日本人の食生活でありがちな塩分の摂り過ぎで発症します。
食塩の主成分のナトリウムは体内の水分を保持する作用があり、血液中にナトリウムが多くなると血液中の水分量が増加します。
血管は平滑筋と呼ばれる筋肉でできており、水分で拡張した血液をゴムが反発するように押し戻そうとするので血圧が上昇します。
また、緊張し続ける筋肉はやがて柔軟さを失って硬直化し、結果として動脈硬化になります。

マカに豊富なカリウムはナトリウムとは反対に、体内の水分を排泄する作用があります。
一方、マカはナトリウムをほとんど含有していないので、マカを摂取すると血液中の余分な水分を尿と共に排泄し、それと共に血液中のナトリウムも体外に排泄します。
その結果、血管の圧力が弱まり、高血圧を改善します。

マカは高血糖を改善する

糖尿病は、食事の摂取で血液に増えたグルコース（ブドウ糖）が、細胞内に取り込まれず血液がドロドロになる状態が長く続くことが原因です。
グルコースを細胞に取り込ませるシグナルとなる物質がインスリンで、インスリンが分泌されると細胞のインスリン受容体と結合し、細胞がグルコースの取り込みを開始します。
しかし、加齢やストレスなどでインスリンの分泌が減少すると、細胞で糖質を取り込めなくなり糖尿病を発症します。
インスリンは、すい臓のランゲルハンス島のβ細胞で生産されますが、このβ細胞に亜鉛が不足するとインスリンの生産力が低下します。

マカは亜鉛が豊富なので、マカを摂取するとインスリンの生産力が改善します。
また、糖質を燃焼させるにはビタミンB1やナイアシンの作用が必要です。
マカを摂取すると、糖質のエネルギー代謝が促進され、血糖値を早く下げることができるので、血液がサラサラになり、失明や腎不全など糖尿病の合併症も予防できます。

マカは更年期障害の症状を緩和する

女性は閉経を迎えると、卵巣で女性ホルモンの生産ができなくなります。
女性ホルモンは骨の形成や、自律神経の恒常性を保つ役割があります。
女性ホルモンの分泌が止まると、自律神経のコントロールができなくなり、体がそれに慣れるまで更年期障害に伴う頭痛や動悸、精神のイラつきなどに悩まされることになります。
マカは閉経で分泌が止まった女性ホルモンのエストロゲンの代用となる、植物エストロゲンのフィトエストロゲンを含有しています。
フィトエストロゲンはエストロゲンと分子構造が似ており、細胞にあるエストロゲン受容体と結合すると、エストロゲンと同じ反応が起こります。
マカを摂取すると、フィトエストロゲンがエストロゲンの代用となるので、更年期障害で起こる諸症状を緩和します。

60代以上は老化を予防する

60代以上になると、新陳代謝はさらに低下し、それに伴い様々な老化現象が体の各所で現れます。
また、脳の活動も低下するのでアルツハイマーなどの認知症のリスクが高まります。
マカは、老化現象で現れる諸症状を改善し、老化を遅くする作用があります。

マカで抗酸化物質を生産し老化を予防

人は生命活動を維持するため、酸素を取り込み、栄養素と共に代謝することでエネルギーを生産します。
その時取り込んだ酸素のうち、0.5～2％が活性酸素になります。
活性酸素は遺伝子情報を保存したり書き込んだりするDNAやRNAを破壊するため、新陳代謝で細胞分裂を行う際に正確な細胞の複製ができなくなります。
正確な細胞の複製ができないと、組織が正常に機能しなくなり老化が促進します。
体内では、この活性酸素から身を守るために様々な抗酸化物質を生産していますが、加齢と共に生産力が低下します。

マカは、細胞内で抗酸化物質となるグルタチオンの原料となるアミノ酸のグルタミン酸、システイン、グリシンを含有しています。
グルタチオンは、細胞内でエネルギーを生産するミトコンドリアで発生する活性酸素と素早く反応し、DNAやRNAの損傷を未然に防ぐ役割があります。
マカを摂取すると、老化の原因となる活性酸素を抑えるグルタチオンやSODなどの抗酸化物質を生産できるので、老化を予防できます。

マカは認知症を予防する

マカで脳内ホルモンを作り認知症を予防

記憶の形成には、興奮性の脳内ホルモンのドーパミンやノルアドレナリンの分泌が関係しています。
特に「報酬系」と呼ばれ、快楽を司るドーパミンは、「動機付け」と「認知」という学習機能を向上させる作用があり、ドーパミンが減少するとやる気が無くなり、記憶力も低下します。
ドーパミンは加齢で分泌量が減少することが知られ、年を取ると何事をするにも億劫になるのはドーパミンの分泌不足が原因の場合があります。
また、脳内に分泌されるドーパミンの分泌量が通常より20％低下すると、手足のしびれや歩行が困難になるパーキンソン病を発症すると言われています。

マカは、ドーパミンの材料である非必須アミノ酸のチロシンを含有しています。
チロシンは体内でいくつかの代謝を経てドーパミンになるので、マカを摂取すると加齢によるドーパミン不足を補い、認知症やパーキンソン病のリスクを予防できます。

マカのカルシウムと亜鉛で認知症を予防

大脳に記憶の書き込みを行うのが、脳にある海馬という器官です。
海馬は膨大な情報を処理し、必要と思われる記憶のみを大脳に書き込みます。
大脳に記憶された情報は、たとえ大昔の情報であっても思い出すことができます。
しかし、大脳に記録されなかった記憶は再び思い出すことはありません。
海馬は短期的に記憶を保持する器官で、保持できる期間は最大でも2週間程度です。
そしてこの間に何度も反復して思い出されたり、強く印象に残ったりする記録だけを重要な記憶として大脳に書き込みます。
この時、海馬の神経細胞で情報伝達物質として作用するのがカルシウムと亜鉛です。
海馬でカルシウムと亜鉛が不足すると、記憶の保持時間が短くなり、大脳への記録の書き込みが減少し認知症を発症します。
マカはカルシウムや亜鉛が豊富なので、マカを摂取すると海馬の機能を保持でき、認知症を予防できます。

まとめ

南米ペルー原産のマカは、ペルー国内では家庭料理の食材として老若男女を問わず食されている野菜なので、摂取し始める年齢で悪い影響が出るといったことはありません。
成長期ならば成長ホルモンの分泌を促進し、身長や大人らしい体を作るのに役立ちます。
20代では生活習慣病の予防やストレスなどによる自律神経の乱れを調節し、性ホルモンの分泌が減り始める30代では、その分泌を促進する作用を発揮します。
生活習慣病や更年期障害が顕著になる40、50代では高血圧、動脈硬化、高血糖などの成人病のリスクを軽減し、更年期障害の諸症状も緩和します。
さらに、老いを迎える60代以上では、老化予防や認知症のリスクを軽減する作用もあります。
マカは年齢に合わせ様々な効果を発揮するので、健康に気を使い始めた時に摂取し始めるのが最も効果的です。