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原産国別のマカ

南米ペルー原産の健康食品で、滋養強壮や精力増進の効果があるためサプリメントや他の健康食品の配合成分として人気のマカ。
現在、マカはペルー政府が厳しく輸出を制限しているため、一般に日本で販売されているマカのほとんどがペルー産です。
しかし、ネットなどで検索すると、日本産や中国産など、ペルー以外の産地のマカもちらほら見られます。
マカは、原産地でどのような違いがあるのでしょうか?
今回は、原産地によるマカの違いについてお話します。

ペルー産のマカ

マカはペルーが原産で、アンデス高原の標高4,000~5,000mの高地に適応して進化した植物です。
マカが育つアンデス高原は酸素が薄く、強烈な紫外線が降り注ぎ、雨は少なく、しかも昼夜の寒暖差が時には30℃にも及ぶ、およそ普通の植物では生息が困難な場所です。
マカはそのような環境をものともせず、1年もの歳月をかけ大地の養分を吸収して生育します。
そのため、必須ミネラルが豊富で、ビタミンB群や各種ミネラルも多く含有しています。
さらにマカはアブラナ科の植物なので、アブラナ科特有の有効成分のグルコシノレートなどの二次代謝産物※1も豊富です。
そのため、古代インカの時代から食糧事情の乏しいアンデス高原に暮らす人々にとって、スタミナのつく貴重な食料品であったばかりではなく、薬草代わりにも用いられてきました。
現在でも、ペルーでは家庭料理に普通に用いる野菜として愛用されています。

※1 二次代謝産物とは植物特有の栄養素で、生体の維持には必要ないが、継続して摂取することで体に何かしらの効果をもたらす成分のこと。

ペルー産でもフニン県のボンボン高原産が最高

現在、マカの需要は世界的に伸びており、その需要に応えるためと、ペルーの農民の生活向上のために、ペルー国内の様々な地域でマカが栽培されるようになっています。
その中でも、最高品質のマカの産地とされているのが、フニン県のボンボン高原です。
この地はマカの栽培に必要な自然環境を備え、しかも風が強いという紀行も兼ね合わせています。
そのため、ボンボン高原は木が殆どなく、生えているのは低い草ばかりという土地なので、農業は牧畜が主流です。
マカを植えると土地の栄養を根こそぎ吸収してしまうため、その後数年は土地を休ませねばなりません。
その間に放牧されている羊やヤギが雑草を食み、その糞が肥やしになり地力が回復します。
しかも、ボンボン高原は世界有数の鉱山地帯で、土には亜鉛や鉄、カルシウム等が豊富です。
このような環境から、現在でも古くからの自然農業でマカの栽培が行われ、農薬や化学肥料など使用しなくてもマカが育ちます。
また、このような過酷な自然条件がマカを鍛え上げ、他の産地よりも栄養価の高いマカが育まれます。
日本で販売されているマカでも、このフニン県ボンボン高原産を謳うものがあれば、品質の高いマカが使用されていると考えて良いでしょう。

ペルー産のマカは必須ミネラルやアミノ酸が豊富

ペルー産のマカは鉱物資源が豊富なアンデス高原で育つため、日本人に不足しがちなカルシウム、鉄、亜鉛などのミネラルが豊富です。
一方、日本人が過剰摂取しがちなナトリウムの含有量が殆どなく、ナトリウムの排泄を促すカリウムが豊富です。
また、マカが精力増進や疲労回復効果を高める有効成分とされる、アミノ酸のアルギニンやアスパラギン酸を豊富に含有します。
マカがスタミナ食とされるのは、体内でエネルギーを生産する際に補酵素として作用するビタミンB群が豊富なためで、ペルー産のマカはビタミンB1、B2、ナイアシンが非常に豊富です。

最近は低地で栽培されるマカもある

世界的な需要の伸びと、ペルー政府の外貨獲得の手段として、最近ではアンデス高原以外の土地でもマカが栽培されています。
標高3,000mくらいでもマカの栽培が可能ですが、このような土地では害虫や病気が発生しやすく、マカの栽培に農薬が用いられている場合もあります。
ペルー産のマカは無農薬で安全と宣伝されていますが、日本で販売されているマカの中にはペルーのどの地域で栽培されている分からないものがほとんどです。
また、日本の景品表示法では、材料として用いられる原料に原産国を明示する義務はありますが、地方までは明示する必要はないので、必ずしも無農薬のマカが使用されているとは限らない場合があります。

日本産のマカ

なぜ日本産のマカがあるの?

ペルー政府が、マカの種子や生の株の国外への持ち出しを禁止したのは2003年です。
実は、今日のようにマカが日本で愛用されるようになったのは、1990年にペルーの研究機関であるアンデス農業生物資源研究所の所長になった日本人の塩田哲夫氏の尽力によります。
彼は欧米で健康食品として注目を集め始めていたマカの種子を、日本の各研究機関に預け、栽培法などの研究に使ってもらうように託しました。
その後、ある日本人がマカの種子を品種改良し、尚且つ土壌改良などを通し、低地の日本でもマカの栽培に成功しました。
現在、日本産のマカとして徐々に販売数を増やしています。

日本産のマカの栄養素

日本産のマカはペルー産のマカとは土壌や栽培条件が異なるため、含有している栄養素も異なります。
日本産のマカはペルー産に比べ、マカの有効成分である各種アミノ酸の含有量が飛躍的に高くなっています。
特にマカの有効成分とされるアルギニンやアスパラギン酸をはじめ、グルタミン酸、プロリンなどの含有量が、成分よってはペルー産の倍以上の含有量になっています。
また、ペルーのマカには無い必須アミノ酸のトリプトファンや、抑制性の脳内ホルモンで神経の高まりを抑えるGABAなども含有されています。
さらに、マカの有効成分であるグルコシノレートや食物繊維も倍以上含有しています。
一方で、ペルー産のマカに豊富で日本人に不足しがちなミネラルであるカルシウム、鉄、亜鉛などのミネラルの含有量は半分近くまで低下しています。

アミノ酸は体の組織を作ったり、疲労回復効果を高めたりするので、そのような効果を狙いたい人にとっては日本産のマカは適しています。
また、海外で生産される商品に不安がある方にとっても、国産のマカはマカの効果を実感できる商品として最適と言えます。

中国産のマカ

なぜ中国産があるの?

価格の安いマカの中には、近年中国産のマカを使用しているものが見られるようになりました。
もともと中国の人々は健康志向が強く、近年のめざましい経済発展に伴い健康効果の高いマカの需要が急増しています。
実は、現在中国国内のマカの生産量は、原産国のペルーを凌ぐほどに成長しています。
しかし、ペルー政府が海外に持ち出しを禁止しているマカが、なぜ中国で栽培されているのでしょうか?
中国国内で栽培が開始されたのは2002年で、ペルー政府が種子の輸出を禁止した1年前です。
中国は国土が広く、チベット高原をはじめ、ペルーのアンデス高原と同じように標高が高く、昼夜の寒暖差が激しい地方が多数存在します。
しかし、このような場所は農業や産業が育ちません。
当時は現在のように経済や農業が十分に発展しておらず、産業の育成が急務でした。
そして現在、中国国内で最も多くマカを生産しているのは雲南省麗江地方です。

マカの栽培に適した土地はあるが、栽培法が異なる

雲南省麗江はチベット高原の南東端に位置し、標高が3000mを超え、昼夜の温度差が30℃以上あるため、中国科学院研究所がマカの栽培に適していると判断しました、
そしてペルーから持ち込んだ白マカ、赤マカ、黒マカの栽培試験を行いました。
もともと産業の少ない同地で、早くも2年目に栽培に成功し、新たな産業農産物として徐々に作付面積を広げていきました。
現在はペルーの自然農法とは異なり、バイオテクノロジーなどを用いて株を増やし、集団農法で一挙に作付面積を広げ、化学肥料(リン、窒素、カリの無機質肥料)も用いられています。
また、この地方ではマカを枯らす病原体はありませんが、四季を通じて温暖な気候なので害虫は発生し、栽培に殺虫剤も使われています。
この成功にならって、チベットや新疆など、アンデス高原と気候に似た地方でも栽培が広がっています。

中国のマカ事情

中国のマカはペルーと同様に、白マカ、赤マカ、黒マカが栽培されています。
中国ではマカを漢方薬と同様に煎じて飲んだり、薬用酒にしたりするのが主流で、スライスしたマカを乾燥させて販売されています。
2013年頃に中国国内で本格的に流通が開始した時に一大マカブームがあり、乾燥マカ500gあたり日本円で17万円までに高騰しました。
その時にはペルーにも中国人バイヤーが多数訪れ、ペルーの現地の報道によると、ペルー政府や地元のルールを守らず種子や生の株を密輸で国外に持ち出す輩も多くいたようです。
現在は作付面積が一気に広がったため、価格も1kgあたり日本円で1000円程度と大暴落し、中国人の所得から考えても非常に安い価格で流布しています。
現在は国内需要だけで消費されるようで、マカを用いたサプリメントや、マカを配合した漢方薬も販売されています。
ただし、この急激な作付面積の拡大と、中国政府がマカの品質基準を設けていないため、品質にバラツキが生じ、中には見た目はマカでも栄養価がほとんど無いマカも多く栽培されているようです。

日本で販売されている中国産のマカ

中国国内でも、海外のバイヤー向けの健康食品の展示会が多数開催されています。
日本のバイヤーがその展示会で中国産のマカに目を付け、格安のマカとして販売しているようです。
ペルー産と日本産のマカの栄養素に違いがあることからも分かるように、マカは栽培される気候や土壌で含まれる栄養素が異なります。
また、中国産のマカの場合、土壌改良で化学肥料が用いられているため、ペルー産や日本産に比べ安全性の面や栄養価に疑問符が付きます。
さらに、中国製品にありがちなのが偽物や危険な添加物の混入で、中国政府も口に入れるものに関しては厳しい取り締まりを行っていますが、悪徳業者が鼬ごっこのように次から次へと出てくるのが現状です。
そのため、中国の富裕層の中には本当のマカの効果を得たいため、中国産よりペルー産のマカを求める人々が多くいます。
中国のマカ産業は2018年度時点で、はじまってまだ5年程度の歴史しかありません。
中国産のマカの全てが悪いとは言いませんが、日本で販売されている中国産のマカはこのような事情があることを知っておく必要があると思います。

まとめ

現在、日本で販売されているマカの大半はペルー産ですが、一部に日本産や中国産が流布しています。
ペルーでは殖産興業と外貨獲得のために、アンデス高原以外でもマカの栽培が広がっています。
ペルー産で最も高品位なのがフニン県のボンボン高原のもので、現在でも無農薬・有機栽培の自然農法で生産され、他の産地よりミネラルなどが豊富で、栄養価が非常に高いのが特徴です。
一方、マカの増産に伴い、必ずしもマカに適した環境で栽培されたものではないマカも出回るようになっているので、ペルー産だから必ず有機無農薬で栽培されているわけではありません。
日本産のマカは、ペルー政府が輸出を制限する前に日本の研究機関に預けられた種子を、品種改良や土壌改良を行い日本の環境に適応させたマカです。
ペルー産に比べ、各種アミノ酸やグルコシノレートの含有量が高く、ペルー産には無いトリプトファンやGABAなども含有します。
反面、必須ミネラルの含有量は、ペルー産よりも少なくなっています。
中国産のマカも、ペルー政府が輸出を禁止する前に、中国の研究機関が栽培を開始されたもので、中国国内にアンデス高原と自然環境が似ている場所があるため、現在ではペルーに肩を並べる生産量があります。
そのため価格も手頃で、ほとんどが中国国内で消費されていますが、一部が日本などに流通しています。
しかし、中国産は中国国内に品質保証の基準はなく、栽培に化学肥料や農薬が用いられ、生産される場所で品質に大きなバラつきがあり、流通過程も安全面で不安が残るため、中国国内でも課題となっています。
マカは栽培される国や地域によって、栄養価や効能が異なります。
自分の求める効能を考慮した上で、どの国のマカを購入するかを選択する必要があります。

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