マカで不眠を改善

マカで不眠が改善できる

ストレスや生活習慣の乱れ、あるいは加齢などが原因で、満足な睡眠を得られない方が多くいます。
すんなり入眠できなくなったり、睡眠時間が短くなったりすると、前日の疲れが取れなかったり、生活のリズムも乱れたりするので、それが原因で更なるストレスを抱えてしまいます。
滋養強壮や疲労回復に効果があることで人気のマカですが、実は質の良い睡眠をもたらす効果もあります。
今回は、マカと睡眠の関係についてお話します。

睡眠とは

睡眠は、心身ともに休息を取るための生理現象です。
睡眠をとると、体内で脂肪を代謝※1してエネルギーに変換し、疲労回復が行われます。
睡眠はエネルギーを回復するだけではなく、新陳代謝※2を行い、細胞レベルで身体機能の修復が行われます。
また、脳内では脳の神経細胞を刺激する興奮性の脳内ホルモンの分泌が停止し、脳の神経細胞の休息が行われ、さらに記録の再構築も行われます。
このように、睡眠中には、体の機能を維持するために様々なことが体内で行われています。

※1　代謝とは、ある物質を体内の化学反応で、別の性質を持つ物質に変えること
※2　新陳代謝とは、古い細胞を分解し、細胞分裂で新しい細胞に入れ替えることで、組織の機能を正常に保つ生理現象のこと。

睡眠の原理

運動して疲れると眠くなるのは、エネルギー生産で使用されるATP（アデノシン三リン酸）の副産物であるアデノシンが、脳を覚醒させる神経伝達物質のヒスタミンの作用を抑制するからです。
これは、睡眠の目的が疲労回復にあることと関係しています。

また、体には体内時計があり、脳内ホルモンのセロトニンとメラトニンが関係しています。
睡眠を促すメラトニンの合成には直射日光を浴びる必要があり、直射日光を浴びておよそ14時間後に眠くなるような仕組みができています。
さらに睡眠は、自律神経の副交感神経が優位になると引き起こされます。
このように、睡眠には様々な作用が複合的に働いていますが、どれか一つでも機能が狂うと睡眠障害を発生します。

睡眠不足は体に悪影響を及ぼす

睡眠不足になると、疲労が十分に回復しなくなります。
また、新陳代謝が十分に行われなくなるので、傷の修復が遅くなり肌荒れの原因となります。
そして、睡眠中に行われる脂肪燃焼が不十分になるので、肥満になりやすくなります。
その結果、肝臓に脂肪が蓄積し、動脈硬化や成人病のリスクが高まります。
興奮性の神経伝達物質がいつまでも分泌されると脳の細胞が死んでしまうので、記録障害やアルツハイマーなどのリスクが高まります。
さらに、睡眠中に免疫機能の生産が行われるので、睡眠不足は免疫力の低下も招きます。

マカの入眠効果

マカは南米ペルー原産のアブラナ科の植物で、ビタミンB群や各種アミノ酸、必須ミネラル、二次代謝産物※3などが豊富な食品です。
その豊富な栄養素から、古代インカの時代より薬草としても用いられてきました。
マカの栄養素の中には、自律神経を整え、ホルモンバランスを改善する栄養素が存在するので、マカを摂取すると睡眠障害を改善できます。
マカのどの栄養素が体に働きかけ、睡眠効果を発揮するのか詳しく見てみましょう。

※3　二次代謝産物とは植物特有の成分で、生体の維持には必要ないが、継続して摂取することで体に何かしらの効果をもたらす栄養素のこと。

自律神経を整えて睡眠を促す

自律神経と睡眠の関係

人の睡眠は、自律神経と深い関わりがあります。
自律神経は人の意思ではコントロールができない生理現象を司る器官で、活動を司る交感神経と、休息を司る副交感神経に分かれます。
副交感神経が優位に作用すると、緊張が解れ、血管が拡張し、筋肉が弛緩し、体温が低下するなど睡眠の準備が始まります。
しかし、ストレスや生活習慣が乱れると、自律神経も乱れ、交感神経と副交感神経の切り替えが上手く機能しなくなり、睡眠の準備を体ができなくなります。

カルシウムとマグネシウムで自律神経を整える

マカが豊富に含有するカルシウムとマグネシウムは、自律神経の神経細胞で情報伝達物資として作用します。
カルシウムやマグネシウムが不足すると、神経細胞同士の連携が上手く作動しなくなり、自律神経が乱れます。
また、カルシウムは脳の神経細胞の興奮を抑える効果があります。
脳の神経細胞が興奮していると、自律神経も興奮したままになり、副交感神経と入れ替われなくなります。
マカでカルシウムやマグネシウムを補うと、脳の興奮も収まり、自律神経も正常に機能するようになります。
その結果、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズになるので睡眠が促されます。

ホルモンバランスを改善し自律神経を整える

女性の場合、加齢によりホルモンバランスが崩れると、自律神経が乱れ不眠になります。
自律神経を司る視床下部は、女性ホルモンの分泌を促す性腺刺激ホルモンの分泌も司ります。
加齢で女性ホルモンを作る卵巣の機能が衰えると、視床下部が性腺刺激ホルモンを分泌しても、指令通りに女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンが分泌されなくなります。
その結果、視床下部が混乱をきたし、視床下部の支配下にある自律神経も乱れます。
女性の場合、35歳を過ぎる頃から急激に女性ホルモンの分泌が減少します。
またストレスなどでも、エストロゲンの分泌が減少してしまいます。
そのため、ホルモンバランスが崩れ、睡眠障害を発生する場合があります。

マカは、分泌の減った女性ホルモンのエストロゲンの代用となる、二次代謝産物のフィトエストロゲンを含有しています。
フィトエストロゲンはエストロゲンと分子構造が似ており、細胞にあるエストロゲンの受容体に結合するとエストロゲンと同様の反応が起こります。
マカのフィトエストロゲンを補給すると減少したエストロゲンの代用となり、ホルモンバランスが改善します。
その結果、自律神経の乱れが改善され、不眠が解消されます。

ナイアシンでメラトニンの生産不足を抑制する

睡眠は、脳内ホルモンの1つであるメラトニンが深く関係しています。
メラトニンの分泌量は、起きている時に生産される「幸せホルモン」のセロトニンの生産量で決まります。
セロトニンは、必須アミノ酸のトリプトファンとビタミンB6をもとに生産されますが、どちらも日本人の食生活で不足する栄養素ではありません。
一方、トリプトファンはセロトニン以外に、ナイアシンの生産にも関わります。
ナイアシンはビタミンB群の一つで、糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素を代謝したり、たんぱく質同士で水素を交換する際に補酵素として作用する栄養素です。
ナイアシンは体内で生産するエネルギーの60～70％に関与すると言われ、運動などでも大量に消費されます。
また、アルコールを摂取した際にも大量に消費されます。

体内でナイアシンが不足すると、トリプトファンからセロトニンよりもナイアシンを優先して生産します。
その結果、セロトニンの生産が不十分となり、睡眠に必要な量のメラトニンが生産できなくなります。
マカはナイアシンが豊富な食品で、乾燥マカ100gあたり35mg含有し、これは成人男子が1日に必要な摂取基準の233％に相当します。
マカでナイアシンを摂取すると、体内のナイアシン不足が解消されるので、睡眠に必要なメラトニンが生産できます。

グリシンで入眠に必要な体の条件を整える

マカに豊富な非必須アミノ酸のグリシンは、中枢神経で神経伝達物質として作用します。
グリシンは血管を拡張させ体の表面の熱を放出し、深部体温を低くすることで入眠を促します。
また、グリシンはメラトニンの前駆体であるセロトニンを増加させる作用があります。
さらにグリシンは、脳が活動を止め休息状態にあるノンレム睡眠の時間を長くする作用があります。
乾燥マカ100gあたり、350mgのグリシンを含有しているので、マカを摂取するとグリシンの効果で質の良い眠りが実現できます。

グルタミン酸でGABAを生産し神経の興奮を抑制する

GABA（ギャバ）はセロトニンと同様に、脳の興奮状態を抑制する作用のある脳内ホルモンです。
GABAは、マカに豊富なグルタミン酸から生産されます。
体内でGABAが生産されると、人はリラックスした心地になり、睡眠を妨げる脳や神経細胞の興奮を抑制します。
乾燥マカ100gあたり、グルタミン酸を730mg含有しています。
ストレスや加齢によりGABAの体内での生産量が減少するため、マカのようにグルタミン酸を豊富に含有する食品を摂取することが肝心です。

まとめ

睡眠障害は自律神経が乱れたり、ホルモンバランスが崩れたりすることで、睡眠に関わるシステムが機能しなくなることで発生します。
マカのカルシウムやマグネシウムは自律神経を整える作用があり、さらにカルシウムは脳の興奮を沈静化させるので、睡眠を促す副交感神経を優位にできます。
また、女性の場合は女性ホルモンの分泌が減少すると自律神経が乱れるので、マカでフィトエストロゲンを補うと、ホルモンバランスが改善し自律神経が正常化します。
睡眠には脳内ホルモンのメラトニンの作用が必要ですが、体内でナイアシンが不足するとメラトニンが不足するので、ナイアシンが豊富なマカで補給するとメラトニンを十分に生産できます。
さらにマカに豊富なグリシンやグルタミン酸は、脳の興奮を抑える脳内ホルモンの分泌を促進するので入眠が促されます。
マカは様々な方面から入眠効果を発揮するので、マカを毎日摂取すると睡眠障害が改善できます。